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【インタビュー】シャルボノー・ブラバン社 輸出部長 ジャン・クリストフ・ルイーズ氏

2011年7月15日 (金)


今回は、フランスにおいて一流シェフも愛用しているワインビネガーやマスタードのトップブランドであるペルシュロンのシャルボノー・ブラバン社輸出部長ジャン・クリストフ・ルイーズ氏をお迎えしてのインタビューをご紹介します。

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ペルシュロンでは、フランス・ベルシー近郊で原料の厳選から最終的な精製段階まで、熟練した職人によって丹念なビネガーやマスタード作りが続けられています。

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特に、ペルシュロンのプレステージビネガーはフランス大統領官邸をはじめ、一流レストランやホテルにおいて使用されており、その品質の高さがうかがえます。1989年には、国際食品品質セレクションで最優秀の栄誉に輝きました。

ペルシュロンは、1999年よりシャンパーニュの老舗ビネガーメーカー、シャルボノー・ブランバン社グループのメンバーです。
それでは、さっそくご紹介いたします。

ガゼット・アルカン(以下GA):ガゼット・アルカンの生産者インタビューにご協力頂きありがとうございます。早速ですが、シャルボノー・ブラバン社について簡単にご説明いただけますか?

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ルイーズ氏:シャルボノー・ブラバン社はオーナー一族が経営するいわゆるファミリービジネス企業で創業は1797年にまで遡ります。

GA:フランス革命からまだ10年も経たない時期ですか。大変な歴史のある企業といえますね。

ルイーズ氏:はい。でも最初からビネガーを作っていた訳ではないようです。最初はビネグレットソース、いわゆるフレンチドレッシングを作っていたようです。それからアルコールの製造をスタートし、1960年代に食品事業に本格的に参入するためにある企業を買収した訳ですが、それがビネガー製造をしていたシャルボノー・ブラバン社だったという次第です。

現在では、ビネガーとマスタードの製造販売に力点を置いており、おかげ様でフランス国内に6つの製造工場を持ち、シェア55%を有する最大のビネガーメーカーとして、また、マスタードのメーカーとしても国内シェア12%を有し、トップ3に数えられるまでに成長しました。

GA:主なお取引先としはどのような企業があげられますか?  

ルイーズ氏:我々はB2C(一般消費者向け)とB2B(業務用)の2本立てで商品を供給しています。B2Cは大小取り混ぜて多くの流通業の方々、B2Bはいわゆるフードサービス(レストラン等の外食産業)の皆さんということになります。
フランス国内では大きく分けて3つのネットワークで事業を展開しています。一つが全売上の約30%を占める「輸出業務」。現在我々は75の国と地域にビネガー、マスタード他の商品を輸出してます。輸出業務の35%が北米向けで、次いでEU諸国が30%、アジア地域は約18%で残りがその他の地域となります。
アジアの中では日本が最大のマーケットでして、ですから、アルカンさんは我々にとってもアジアで最大のパートナーということになります。

GA:海外戦略は御社にとってどのような位置づけですか。

ルイーズ氏:率直に申し上げて、フランス国内市場の成長は望めないでしょうし、我々は十分なシェアを維持しています。次の飛躍の舞台は当然海外市場ということになります。海外市場は我々にとって第2の成長エンジンという訳です。

GA:御社はアジア地域にも積極的に輸出業務に注力されているようですね。

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ルイーズ氏:
そうですね。輸出業務特有の難しさというのは確かにあるのですが、例えばEU圏内の取引は原則としてフランス国内の取引と殆ど変ることなく行える訳ですし、そういう意味からすると、北米やオーストラリアも同じ西欧文化圏ということで食文化も近く、障害が無い訳ではありませんが、比較的スムーズにビジネスは進捗してきたと言えるでしょう。その一方で例えば、具体的な国名は挙げることはできませんが、サッカー日本代表チームの宿敵のお国等は大変政府の管理・統制が厳しく、これは文化的な側面も大きいのだと思いますが、何かにつけて「書類」の提出を求められることが多いように感じます。微笑みの国と呼ばれる熱心な仏教徒の国のお役所の方々もそういう意味では大変仕事熱心な方々と言えるでしょう(笑)。

GA:一頃日本でも話題になった「非関税障壁」「bureaucratic wall(官僚主義の壁)」といったことですか。

ルイーズ氏:いいえ。政府がそれだけ「品質」に関するコミットメントが高いということだと思います。

GA:先ほど、海外市場は御社にとって第2の成長エンジンというお話でしたが、日本を含むアジア市場については如何ですか?

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ルイーズ氏:
市場への参入の難しさを割引いても、我々はより高い成長率をアジア市場で得ています。実際、アジアは世界で最も成長をし続けている市場であり、ビジネスチャンスに満ちている場所でもあります。あまり注目されていませんが、多くの旅行客が欧米からアジアへと流れています。このことは実は我が社にとって大変大きなビジネスチャンスでもあるのです。元々、我が社はB2Bに大変強い訳ですが、こうした旅行客の流れは明らかに我々が取引しているアジア各国のホテル、西欧風レストラン、高級食材店にとって追い風となっています。その為にも現地の法律や品質要求に応えられる信頼できるパートナーを見出すことが重要になってきています。この点でアルカンと一緒に働けることを大変心強く思っています。

GA:おほめ頂きありがとうございます。

ルイーズ氏:日本は何と言ってもアジア最大の市場ですが、同時に我が社は中国にも目を向けています。投資もこれから増やしていくつもりです。日本と中国この地域における2大国が共存し繁栄して行かれることは我が社にとっても大変重要なことですし、両国とも我々の大事なパートナーであります。今後20年はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)が世界経済のビッグプレイヤーとなって行くでしょう。次の我が社の成長のキーはこれらの国々にあることは間違いないところだと思います。その為の市場調査や投資も抜かりなく行っていきたいと考えています。

GA:ところで御社は精力的にM&A(企業買収)にも動いておられますね。

ルイーズ氏:はい。実を言うと私は名刺を何種類も持っています。今日のところは輸出部長の肩書ですが、他にもポケットには5つ程違う肩書の名刺が入っています(笑)。

GA:いくつもの会社で仕事を兼務されているのですね。

ルイーズ氏:ここ数年我が社は積極的にM&A戦略を進めています。つい最近もイタリアのあるメーカーと買収について合意に達したところです。

GA:企業買収は御社の世界戦略とどのように結びついているのですか?

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ルイーズ氏:
先ほども申し上げた通り、これ以上フランス国内での成長は望むべくもないでしょう。とはいえ、我々は何でもかんでも買収しようというのではありません。会社の柱であるビネガーとマスタード及びそのビジネスエリア(関連領域)に限定してM&Aを実施しているのです。それはコアビジネスとその周りのカテゴリーを強化することにも繋がりますし、同時に我々の取引先の皆さんにビネガーとマスタードだけでなく、違った商品を提供する機会を提供することにもなります。

GA:理想的なwin-winの関係ですね。

ルイーズ氏:今年初めには、グルノーブルに本拠を置くフレンチソースのメーカーを買収しました。また、イタリアのバルサミコビネガーメーカーとのM&A契約も、ほぼ決まりそうです。
本筋のビジネスとの関連を失うことなく新たなオファーを取引先に提供できるという意味でとても良いM&Aだったと思っています。
また、先月我が社に加わったジェラルド・ジョリヴェ氏は、アメリカ、オーストラリアそしてアジア各国の輸出担当となりました。この人的投入は、輸出部門を強化するというだけでなく、輸出先の取引企業との関係強化するということにも力点を置いたためです。

GA:一口にM&Aといっても色々な側面があるのですね。ところでルイーズさん本人について伺ってもよろしいですか。お休みの日には何をされていますか?

ルイーズ氏:もちろん、休みの日にはペルシュロンのビネガーを使った料理を作っています(笑)。
実際作るのは妻の方ですが、私はあまり料理が得意でないので、主にビネガーの封を切ったり、お皿を並べたりする担当です。後はスポーツが好きでよくテニスで汗を流します。息子もテニスが好きでよく一緒にプレイします。

GA:息子さんのテニスの腕前は如何ですか?

ルイーズ氏:まだ小さいので私の敵ではありません(笑)。

GA:でもいずれお父様を打ち負かす日が来ますね。

ルイーズ氏:いいえとんでもない。私は絶対負けませんよ(笑)!
否、そういう日がいずれ来るでしょうが、それは父親としては喜ばしい日になるかもしれませんね。

GA:休日には奥様と料理を作られる。ではなくて料理を作る奥様のお手伝いをされるとのことですが、最後にルイーズさんお勧めのビネガー用いた料理を教えていただけますか。

ルイーズ氏:個人的にはラズベリービネガーや赤ワインビネガーが好きですね。もっぱらサラダドレッシングに使ったりしています。最近ではフルーツビネガーも人気ですが、私が好きなのは赤ワインビネガーです。

GA:本日は大変貴重なお話ありがとうございました。

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