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【インタビュー】トリュフ プランタン社社長;クリストファー・ポロン氏

2012年7月22日 (日)


今回の生産者インタビューゲストは、トリュフの輸出販売を行っておられるプランタン社の若き3代目社長、クリストファー・ポロン氏です。


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ガゼット・アルカン(以下GA):ガゼット・アルカン生産者インタビューにようこそ。まだ時差ボケが抜けきらない中、ガゼット・アルカンのインタビューをお受け頂きありがとうございます。

ポロン氏:こちらこそ、お招きいただいて光栄です。まだ早朝に目覚めてしまいますが大丈夫です(笑)。日本はこれで3回目ですが、いつ来ても新鮮な驚きがありますね。

GA:初めにポロンさんのプロフィールとトリュフとの関わりを簡単にお聞かせください。

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ポロン氏:私は幼い頃から父の仕事を間近に見ておりましたので、トリュフは生活そのものと言っても過言ではありません。小学生の頃など週末はよく父とトリュフを採りに出かけたものです。学業を終えてからニューヨークで父の会社のトリュフを輸入する仕事をしていまして、後にはニューヨークでトリュフをふんだんに使ったレストランをオープンしました。

GA:ニューヨークでレストラン経営の経験もされたわけですね。

ポロン氏:ええ。結局アメリカには通算で11年住むことになりました。その後、父がそろそろ引退をしたいということで、フランスに戻ったのが今から3年前で最近社長を引き継ぎました。社長と言ってもいわゆるファミリービジネスの小さい会社ですが。

GA:まさにトリュフと共に成長し、トリュフと共に歩まれた人生というわけですね。

ポロン氏:ええ。でも子供の頃、多分10才くらいだったと思いますが、初めて父にトリュフ農園に連れて行ってもらった時は、あの強い匂いが好きになれず、とても閉口した記憶があります。今はもちろん大好きですが、まだ子供だったのですね。

GA:トリュフの採取法はとてもユニークだとお聞きしますが。

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ポロン氏:香りがすべてですから、よく訓練された犬を使って探させます。その昔は豚を使っていたそうですが、さすがに私も本物の豚を使ったトリュフ探しの経験はありません。第一、豚は「止めろ」と命じてもトリュフを目にすれば、ガツガツ食べてしまいますし(笑)、何十キロもある豚を制止するのは一苦労ですからね。その点よく訓練された犬であれば、見つけた時点で「お座り」と言えばその場で待っていますので、あとは人間がトリュフの形をくずさないように慎重に掘り出せばよいわけです。
そういえば、昔、我が社の農園スタッフと話したことがあるのですが、本当に訓練された犬になると、農園に着いた後首輪を取って放してやるそうです。犬は自分で農園の中を駆け回り、しばらくするとトリュフをくわえて彼の下に戻ってくるそうです。

GA:プランタン社を率いる社長さんとして、どんな事業戦略を持っておられますか?

ポロン氏:大前提としてトリュフには限りがあるということです。私達は、サプライヤーとして品質の維持に努める責任があります。しかし、どうしても品薄になると、粗悪品が市場に現れてしまい、結果的に市場を荒らしてしまう危険は避けられません。例えば、せっかくトリュフを採取しても(我が社のようなトリュフの仲買業者と契約をしていない)フリーランスでトリュフを採取した農家の方などは採取後3日も4日も自宅に置いておき、まとめて市場へ出してくるわけです。その段階で品質維持のための何の手当もしていない4日前に採られたトリュフがその後も高い品質を維持し続けるとは想像し難いですね。

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例えば、白トリュフと言えばイタリアですが、イタリアの同業者は我々よりもさらに品質には気を使っています。黒トリュフよりも白はずっと傷みやすい商品ですから。本当に品質の高いものだけをお届けすることはかなりの努力が必要です。

GA:日本や豪州といった遠い地域への輸出となるとさらに大変でしょうね。

ポロン氏:私の会社は現在、アメリカはもちろん、アフリカ、そしてアジアでは日本、台湾、香港、シンガポールそれにご指摘のあった豪州にも輸出しています。無論、香りについては細心の注意を払っています。

GA:日本についてはどうですか。

ポロン氏:トリュフを日本に運ぶ輸送自体は全く問題ありません。むしろ、輸出業務に関わる様々な手続きに時間がかかる方が問題かもしれません。そうしたことで、最大でも2日程度ですが、かかってしまいます。ともかく、フレッシュな最高の状態でパッケージした商品ですから、私としては1時間でも早くお届けしたいと思っています。まぁ、日本は他のアジアの国に比べれば遥かに良いのですが。

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GA:トリュフをおいしく頂ける期間とはどのくらいですか?

ポロン氏:2日以内に食べるのであれば採りたてそのまま、ベストの品質が維持されていると断言できます。実際フランス国内ですと、その日の朝採取したトリュフが地元やパリのレストランでお昼のランチや、ディナーに提供されることもよくあります。もちろん、一部の高級店だからできることではありますが。採取後適切に処理したトリュフなら採取から10日位であれば、品質に何の問題も無いとお答え出来ますね。日本には採取後約5日間で入ってきますので、日本の皆様はフランス国内のレストランと同じ条件でトリュフを召し上がっていただけることになります。

GA:おいしくトリュフを頂けるということでいうと、ポロンさんおすすめのトリュフを使った料理を教えてください。

ポロン氏:私が好きなトリュフを使った料理ですか。そうですね。たくさんあって困ってしまいますが。よく両親と一緒に冬の朝食にトリュフを薄くスライスして、少量のオリーブオイルと塩をかけパンに挟んで食べることがあります。

GA:味付けはオリーブオイルとお塩だけですか。おそろしく贅沢な朝食ですね。

ポロン氏:確かに、ファミリービジネスでトリュフを扱っている我が家だけの特権なのかもしれませんね。その他では卵と合わせると、トリュフはその香りが引き立ちます。スクランブルエッグなども簡単にできてとても美味しいですね。新鮮な卵をかき混ぜて、トリュフを入れ込みます。トリュフは食感が分かる程度にあまり細かく刻まないのがコツです。作り方はスクランブルエッグと同じですが、焦がさないように卵が上手く膨れてきたら硬くなる前にお皿に移してスプーンで頂きます。卵にトリュフの香りが見事にマッチして最高に美味しいですよ。

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GA:御社の製品にはフレッシュトリュフはもちろん、トリュフジュースや瓶詰、オイル等加工品も様々なものがありますが、日本人の我々には馴染みが薄いものもあります。トリュフ関連商品を家庭で料理する場合、おすすめの料理法を教えてください。

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ポロン氏:
トリュフそのものも決してお安いわけではありませんし、トリュフ関連商品も日本の皆様には馴染みが薄いかもしれません。でも、料理法は実にバラエティ豊かで使いやすいものばかりです。例えば、トリュフオイルはパスタにかけるだけで魔法のような香りが広がりますし、リゾットにかけても最適です。卵料理とマッチするのはお話しした通りですし、トリュフジュースはビネガーとあわせてドレッシングとして使えます。お魚料理やお肉のソースとしても素材を引き立たせる力を持っています。マッシュポテトをトリュフジュースにつけて食べるなんて粋な食べ方もあります。

GA:名前からするとトリュフジュースは飲料のようですが、実際にはお料理ソースなのですね。

ポロン氏:無論ジュースのように飲むことも可能ですが、あまりおすすめはしません(笑)。

GA:最後に奥様とお子さんについて伺いたいのですが。

ポロン氏:残念ながら私は独身です。

GA:独身で社長でしかも大金持ち!完璧ですね。

ポロン氏:いいえ、大金持ちではありませんし、誰にだって欠点はあります。

GA:いずれ奥様を迎えられ、ポロンさんの未来の息子さんやお孫さんが今のお仕事を引き継がれていくわけですね。

ポロン氏:そうですね。私の父もこの仕事を祖父から受け継ぎ、今、私も父の後を受け継ぎました。このビジネスはおそらく土地に根付いた農園オーナーが代々その土地と森を守りながら大事に育てていくべきファミリービジネス(仕事)なのではないでしょうか。スーツを着たビジネスマンがモバイルPC片手に携帯電話で取引するような仕事ではないことだけは確かです。

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GA:家族だからこその信頼もあり、お互いに補っていくこともできるわけですね。では最後に、このインタビューをお読みいただいたガゼット・アルカンの読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

ポロン氏:ともかく、ガゼット・アルカンの読者の皆さんにはあまり硬く考えずに、気軽に、シンプルにトリュフを楽しんでいただきたいと思います。

GA:どうもありがとうございました。

ポロン氏:こちらこそ、ありがとうございました。


■プランタン・トリュフに関する過去の記事

http://gazettearcane.com/eablog/2011/03/tv48-35c1.html


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