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【インタビュー】スペインワイン ヴェルム社 醸造責任者 エリアス・ロペス・モンテロ氏

2011年10月14日 (金)


今回は、今年7月より発売を開始しましたスペイン、ラ・マンチャ地方トメジョッソよりヴェルム社の若きオーナー兼醸造責任者のエリアス・ロペス氏をお迎えしてのインタビューをご紹介いたします。

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ガゼット・アルカン(以下GA):最初にエリアスさんの経歴についてお聞かせください。

エリアス氏:マドリッドで醸造学を勉強した後、リオハの学校でマスターを取得しました。その後、2002年より元ヴェガ・シシリアの醸造長マリアノ・ガルシア氏が醸造責任者を務めるアアルトにて、赤ワインの醸造について学び、2004年からは南アフリカで最多の受賞歴を誇るディステル社で技術を習得しました。

GA:ガルシア氏の下で勉強する事になったきっかけについて面白いエピソードがあるとお聞きしたのですが、ぜひ教えてください。

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エリアス氏:
私の父が経営する蒸留酒の会社が「ALTOSA(アルトッサ)」という社名なのですが、ガルシア氏が「AALTO(アアルト)」という名前でワイナリーを始めるにあたり、父に許可をもらいに来た事がありました。その時、父がこの「アアルト」という名前の使用を承諾する代わりに、息子の私をガルシア氏の下で学ばせて欲しいという条件を出したのです。その事がきっかけで私は見事、ガルシア氏の下で勉強させていただける事になったのです。

GA:ガルシア氏の下で働けるという事は、特別な事なのですか?

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エリアス氏:料理人に例えて言うなら、「エル・ブジ」のフェラン・アドリア氏の下で働くことに匹敵するほど光栄な事です。

GA:それはすごいですね。ところで「VERUM BIANCO 2010」は、この地方では大変珍しいゲヴュルツトラミネール種を使用していますが、この品種について教えていただけますか?

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エリアス氏:何といっても特徴的なのはそのアロマです。
とても栽培が難しい品種ですが、15年間育ててきた過程でこの品種の栽培方法を習得しました。ゲヴュルツトラミネール種を使用した理由は、この地域でオリジナリティーのあるワインを造りたかったからです。

GA:なるほど…。それでは、「モスト・フロール(フリーラン果汁)」のみを用いる独自の醸造方法についてお聞かせください。

エリアス氏:「モスト・フロール」はとても繊細で、出来上がったワインのテイストに大きく影響を与えます。収穫されたブドウを大きなタンクに入れ、その重圧でジュースを抽出します。プレスしないため、タンニンが少なく繊細な味を生み出す事ができます。これはとても贅沢な製法ですが、搾り終えたブドウを蒸留酒にも使用できる為、とても有効な製法だと思います。

GA:すごい製法なのですね。
「VERUM TINTO 2008」はメルロー、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニョンの3品種から造られていますが、近年のラ・マンチャ地方では赤ワインを作る品種としてポピュラーなのですか?

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エリアス氏:土着品種でポピュラーな品種はテンプラニーリョですが、カベルネ・ソーヴィニョンは2番目に多く栽培されている品種です。カベルネ・ソーヴィニョンは実際に使用できるまで長い年月がかかりますが、朝晩の温度差が大きいこの地域にはとても適した品種です。
例えば、白ワインではアイレンという品種が現在、ラ・マンチャ地方の生産者の間ではブームになっています。やはり、外来品種を混ぜてより個性的なテイストを造り出す事に皆さん努力されているようです。

GA:現在ヴェルム社では、スパークリング、白ワイン、赤ワイン、ロゼワインの4種類のワインを発売していますが、将来的に新しいレンジを発売する予定はありますか?

エリアス氏:実はテンプラニーリョ100%とメルロー100%の、熟成期間が24か月の赤ワインを発売する予定がありますが、アルカンからリクエストがあれば、それに応じて作らせていただきます。

GA:ぜひ、検討させていただきます(笑)。
最後に、ヴェルム社では自社でオーケストラを所有していると聞きましたが、どのようないきさつで運営することになったのですか?

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エリアス氏:最初にこのオーケストラのディレクターより子供の為のオーケストラを作りたいのでヴェルム社に支援して欲しいとの相談がありました。そこで私の家族が、ヴェルムのブランドプロモーションの為にプロフェッショナルな楽団だったら全面的に支援したいと申し出たのです。このことがきっかけとなり、今のオーケストラを所有する事になりました。これも人と人との縁といったところですね。

GA:3月11日の東日本大震災の悲劇の後、ヴェルム社では日本の被災者の為に大きなチャリティーイベントを開催したとのお話をお聞きしましたが、どのようなイベントだったのですか?

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エリアス氏:3月11日はアルカンとの契約が最終的に合意された日だった事はご存知ですよね?この日にこのような悲劇が起こって、私達はとても心を痛めました。そして何か支援ができないかと考え、先ほどお話したオーケストラのチャリティーコンサートを企画しました。
私の国では、日本はとても美しくて豊かな国であるというイメージを持つ人が多い為、この悲劇の悲しみを伝えることはとても難しいものでした。しかし、時間が経つにつれてニュース等で流される被災地の映像を目の当たりにすると、皆が何か日本の為にサポートできないかと考えるようになりました。このチャリティーコンサートはヴェルム社だけではなく、私の国からのささやかな気持ちでもあります。

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GA:ありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
ところで、エリアスさんご自身もフラメンコギターを弾かれるとお聞きしたのですが?

エリアス氏:そんなに上手くありませんが、教室にも通っています。

GA:それでは次回来日した時には、私がカホン(フラメンコに使われるパーカッション)を担当するので、二人でコンサートをしましょう(笑)。

エリアス氏:約束ですよ(笑)。

GA:今日は、ありがとうございました。

■ヴェルム社については下記をご参照ください。
http://www.arcane-jp.com/wine/spain/la_mancha.html


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